福井駅から徒歩10分の駅チカ街ナカに「養浩館庭園」という都心のオアシスを見つけました。思わず座って眺めたくなる光景がそこに。
かつての福井藩主松平家の別邸である養浩館庭園は別名「御泉水屋敷」とも呼ばれ、水と屋敷が密接な位置に配された江戸中期を代表する名園。
養浩館庭園
入口は西門と東門と2ヶ所、メインはこちらの東口。早朝の無料開放を行っている場合は東口のみの出入りになります。
紅葉鮮やかな庭園
2020年11月19日はまさに紅葉のベストタイミング!赤と黄のコントラストが非常に鮮やかです。
庭園は「回遊式林泉庭園」という池を中心において周囲をぐるりと回遊鑑賞する、日本庭園としてはよくある様式。
しかしそれだけでは御泉水屋敷と称されるほどのインパクトには欠けるところ。違いは対岸のお屋敷まで行けばはっきりわかります。
楓が見事なまでに真っ赤に染まっていて美しい。
福井市の足羽山で採掘される笏谷石製の蹲踞(つくばい)は下から湧き出る自噴式。
街の中心部なのに鳥たちが飛来してくるということはやはりここはオアシス!
屋敷の裏にまわる形で小川が流れ込み、そこに架かる橋は自然石の石橋。長さ約500㎝、幅約90㎝、厚さ約50㎝の凝灰角礫岩を水面ギリギリの高さに配置しています。
石橋から眺める小川の水面に楓、これもまた風情あり。
御泉水屋敷と呼ばれた理由
さて養浩館庭園の目玉であるお屋敷から見る景色、御泉水屋敷たる所以がここにあり。
お屋敷は横に長く、池と広く面するように造られています。
訪れたほとんどの人が座って庭園を眺めています。その気持ちは実際にここへ行ったらよーーくわかるはず、思わず腰をおろしているはずです。
その最大の理由は水までの距離が近い!
近いというよりゼロ距離なのです!
窓からのぞくと真下に鯉、もはや舟に乗っているような感覚です。
こんな造りの屋敷は見た記憶がない。お堂や茶室が水の上にというのは見かけますが、屋敷が水と接しているのは相当珍しいのでは?
ベランダのような突端部分の床下に水路を通し、反対側まで水を引いて内池までも造っているほど凝った建築。
御泉水屋敷と呼ばれていたのにも納得でしょう?
しかしこのお屋敷の面白さは水だけではない!各所にカッコいい造りが施されているのです。例えばこの戸棚。
これは螺鈿細工での装飾。アワビなどの貝殻の内側にある光る部分を剥がして貼り付けるという非常に細かい細工を施すことによって、この輝く絵を描いているのです。
その他にも欄間だったり、連窓だったりで美しいポイントがあるので探してみてください。ここを220円で入れるっていうのは正直破格、見ないと損とまで言ってみます。
養浩館庭園 | |
住所 |
福井県福井市宝永3-11 |
営業時間 |
3月1日~11月5日|9:00~19:00 |
定休日 |
12月28日~1月4日 |
料金 |
220円 |
所要時間 |
30分程度 |
駐車場 |
無料 |
公式URL | http://www.fukuisan.jp/ja/yokokan/index.html |
コメントをお書きください