冬の岡山県で「約9000人のふんどし姿の男達が集う奇祭」が開催される!?そのお祭りの名前は「西大寺会陽」、はたしてそれはどんな光景なのか?
それをこの目に確認すべく、実際観覧に行ってまいりました!という現地レポートと開催情報「日時・スケジュール・駐車場・会場の行き方・注意点など」をお伝えしてきます。
西大寺会陽とは
その護符はやがて紙から木になりました。かつては「真木」と呼ばれ、神の木とされていた頃の音だけが残って、現在は「宝木」と書くようになりました。
午後8時ごろから、境内に裸になった人々が集まりはじめます。誘導の人の指示に従って身体を清めたあと、境内を回り千手観音と牛玉所大権現を詣で、大床で押し合います。体が熱くなると冷水で体を清めて同じ順路を巡ります。
皆が本堂に集まり、そうして夜10時になると、すべての明かりが消され御福窓から宝木が投げ入れられます。クライマックスの宝木の争奪戦を制して、うまく手に入れた者は福男と呼ばれ、その年の幸福が約束されます。
【岡山商工会議所公式サイトより引用】
宝木(しんぎ)の争奪戦が祭りの中枢ということになります。 奇祭と言われる所以はこの争奪戦が異様なほどの光景だから。それは最後まで読んで頂ければおわかりになるはず!
令和6年 開催情報
公式サイト
🔗 | https://www.saidaiji.jp/eyou |
日程・時間・スケジュール
期間 | 2024年2月17日(土) |
備考 | 毎年2月第3土曜日開催(雨天決行) |
15:20 |
少年はだか祭り、餅投げ(1・2年生)、五福筒争奪(3・4年生)、 宝筒争奪(5・6年生) |
17:40 |
奉納演舞 |
18:30 | 会陽太鼓 |
19:00 | 会陽花火(30分間) |
19:30 | 会陽太鼓 |
22:00 | 宝木投下 |
19時からは花火が打ち上がりますが、花火はパスしていいという方は20時以降の行事から観覧するのでもOKでしょう。あまり早めに行くと時間を持て余してしまいます。
20時頃からふんどし姿の参加者達の水浴び・本堂参拝が一気に増えます。詳しくは後述します。
最大の見所となるのが22時からの宝木投下。2023年までは新型コロナの影響で中止となっていましたが、2024年は4年ぶりに宝木投下からの争奪戦が復活します。
会陽あと祭り
また、会陽の翌日からは「会陽あと祭り」というものが2週間行われます。あと祭りの詳細についてはこちらをご覧ください。
会場・場所・アクセス
会場 | 西大寺観音院 |
場所 | 岡山市東区西大寺中3-8-8 |
入場料 | 無料(有料観覧席あり) |
駐車場 | あり |
鉄道 | JR西大寺駅から徒歩約10分 |
駐車場
臨時駐車場が数ヶ所用意されており、無料と有料があります。それぞれおすすめの順に紹介します。
無料駐車場
- 天満屋ハピータウン平面駐車場[MAP]
※立体駐車場は閉店とともに閉鎖されるので注意 - 山陽マルナカ西大寺店駐車場[MAP]
- 西大寺グリーンテラス駐車場[MAP]
- Aコープ(味彩館)駐車場[MAP]
- ハローズ西大寺駐車場[MAP]
無料駐車場では会場まで一番近いのが徒歩約10分の天満屋ハピータウン。ですがハローズ以外は大差ありません。駐車場はかなり混み合うので20時以降は空きを探すのも大変。花火が19時からあるので18時までに駐車するのがいいでしょう。
有料駐車場
- 向州公園グラウンド(1回500円)[MAP]
会場から最も近い駐車場は向州グラウンドですが、交通規制が入るため少々厄介です。早めに駐車する場合はグラウンドでいいかもしれませんが、個人的には少し遠くても無料のハピータウンでいいと思います。
観覧方法
基本的に自由に観覧できますが、宝木投下のために20時半頃から入場エリア制限がされます。会場内のエリアマップは以下の通りです。
【参照:岡山商工会議所西大寺会陽サイト】
メイン行事となる宝木投下は無料エリアと有料エリア3種類から見ることができます。無料エリアは本堂の裏側(上記地図の本堂横白色エリア)なので全体を見渡すことができません。というか争奪戦の外周くらいしか見えません。
有料席は特別観覧席5000円、東立見席2000円、西立見席1000円の3種類。特別観覧席は予約販売ですが立見席は当日でも購入でき、ほとんどが当日購入のようです。詳細は後述しますがオススメは東立見席からの観覧です。
会陽に参加できる?
事前申し込みをすれば一般参加は可能となっています。衣装の販売や着替え場所の用意もされていますよ。ただしメガネ・ピアス・入れ墨など厳しいルールもあるので岡山商工会議所西大寺会陽参加申し込みサイトを確認して下さい。
現地レポート
会場周辺に到着したのは17時過ぎ、駐車のため天満屋ハピータウンに向かいます。この時点でハピータウン駐車場はほぼ満車状態でしたが、運良くすんなり駐車。マルナカやグリーンテラスの駐車場はまだ空きが多めでしたが続々と埋まっていきます。
20時過ぎに一度車に戻ったのですが周辺を含め駐車場に空きはほぼなかったようです。ハピータウンからは徒歩で約10分、会場となる西大寺に到着。
有料観覧席
宝木争奪戦をどこから観覧するかは重要なポイント!5000円の指定座席はさすがにお高いので…有料の立見席でもいいかなー。となると西立ち見席にすべきか?それとも東立見席にすべきか?まずは有料観覧席の位置関係を確認しに向かいます。
5000円の特別観覧席
本堂正面側に陣取り、しかも小高い位置に各列段差をつけられて配置されているのでこれは見やすい!とは言え5000円という金額は結構なお値段…。
1000円の西立見席(当時500円)
写真ではわかりにくいですが、本堂を斜め横から眺める形になります。距離もある上に低く平坦な場所での立ち見席なので、これは最前列のほうじゃないとほぼ見えないな…。
1000円の東立見席
もう一つの立見席である東立見席は特別観覧席の後ろの金網のエリアになります。
東立見席は本堂を正面から見れますし、エリア自体に少し傾斜があるので最前列じゃなくても見られそう。西立見席との金額差を考えても東のほうが断然よさそう!!
というわけで東立見席を当日購入でゲット!特別観覧席は予約制ですが、この日はまだ空きがあったらしく当日購入している人もいました。
立見席は場所取りの必要あり
立見席は19時から入場開始となりますが、エリア内での位置取りは早い者勝ち。なので18時前から良い場所を確保しようと入場待ち行列が出来ていました。
ただし早く入場したとしても荷物を置いての場所取りは禁止!入場してから宝木投下開始までの3時間はその場で待機しなければいけないのです。
そんなのつらすぎる!!
さすがに3時間もじっとしている苦行には耐えられない!そこであえて宝木投下の直前に入場しよう作戦をと取ることに。それまでは周辺散策へ。まずは屋台エリアでも見に行きましょう。
露店がいっぱい
露店は西大寺の隣の向州公園に出ており、その数およそ60~80店舗と推測。お店の数も多いのですが、とにかく人の数がすごくて歩くのも大変!!
『何か珍しいものとか地域性の強いものないかな~?』と探してみるも、惹かれるのは釜で焼いているピザ屋台くらいかなぁ。あとは串焼き、お好み焼き、麺類、とうもろこし、イカ焼き、ケバブなど大体一般的なラインナップでした。
お清めの儀
しばしの散策を終えた19時前、再び西大寺境内へ。2時間後には戦場と化している本堂も今はまだ平和です。
宝木は3と書かれた札の上にある御福窓という小窓から投下されます。
立派な石門をくぐり抜けると中には鳥居と観音像が鎮座している池があります。
はだか祭りの参加者はこの池に入って身を清めてから本堂へと向かいます。
するとちょうどのタイミングで参加者がお清めにやってきました!
気温3度の中やって来たふんどし姿の男たちとその後ろから白装束を纏った女性の姿も。
男性のみならず女性も池に入って水を浴び、身を清め、「六根清浄」と唱えながら本堂を参拝します。六根清浄とは人間に具わった六根を清らかにすることで、 六根とは五感である眼根(視覚)・耳根(聴覚)・鼻根(嗅覚)・舌根(味覚)・身根(触覚)に意根(意識)を加えたもののこと。
本堂参拝の後はその他のお堂を詣でながら境内をぐるっとまわって一旦外の待機所へ。宝木投下の入場時間までは待機という感じのようです。
会陽花火と太鼓
19時になると約30分間の花火が打ち上げられ、境内からでも花火は見えます。お清めの儀を見ながら花火もということも可能。写真は撮っていませんが動画にはちらっとその様子が入ってますよ。よりよく花火を見たい場合はすぐ近くの吉井川の土手にあがると見やすいです。
花火が終わると2回目の会陽太鼓も始まりました。演奏するのは女性で男たちを鼓舞するための太鼓です。
熱気を増すお清めの儀
20時前になると参加者が続々とお清め&参拝にやってきます。もはやふんどしのビッグウェーブ、そしてすごい活気です。高校生の団体参加者もいて、同級生と思われる女子高生がキャーキャー黄色い声援を挙げる。青春って素敵やん?
元気のいいふんどしが「わっしょい」と掛け声を挙げながら次から次へとやってくる!隊列をなして本堂へ駆け上がっていく姿はもはや無限尻!
時刻は20時半、尻酔いしてきたし宝木投下まで少し時間があるので一旦車まで戻って休憩することに。参加者の待機所前には寒さを凌ぐためのお湯が用意されており、命のお湯を浴びるふんどし男達。「ぬるっ!」お湯はすっかり冷めていたようだ…!
宝木投下
自分も車内で一時の暖を取り、食事も済ませ再び会場へ。予定より少し遅れて21時半過ぎに有料立見席エリアへ入場。見る場所はかなり後列になってしまうかなー?と思いましたがそこまで混んでいませんでした。
するする~っと人の合間を縫って立見席の前から3列目の場所を確保。1人だとこういう時に楽ですよね!
宝木投下の22時まではあと20分くらいありますが、本堂はもうすごいことになっています。これだけふんどし男が密集するとさすがに気持ち悪い(笑)。
どうやら22時までの間は宝木獲得に有利な場所を確保するための戦いを繰り広げているようなのです。
よく見るとあちらこちらで押し合い、そして階段から転落などもしています。こりゃあ喧嘩にもなりうるわ…。
よくよく見ると男達の上には白い雲ができている!なんという熱気なんでしょう。
そして22時、ついに宝木投下の刻を迎えます。
宝木投下についての解説
22時になると同時に本堂の照明が全て消されます。そして五福窓から宝木が投下されるのですがこの時投下される木は100本、その中で本物の宝木は2本のみ!
では暗い中でどうやって本物を見極めるのか?
本物には強くお香の匂いを染み込ませており、その匂いをもとに探すのです。宝木投下された後は本物をめぐっての熾烈な争奪戦が始まります。
うまく宝木を手にし奪われないように隠したりして出口のゲートまで持ってこられればゴール。その者は福男として認められるというわけです。
動画
実際にはどんな様子のお祭りなのかは百聞は一見に如かず。お清めの儀から宝木投下の終わりまでを動画にしたのでご覧ください。
宝木争奪戦の様子を上から見るとどうなっていたでしょうか?それはよもや地獄絵図、まるで蜘蛛の糸ですよ!?
見てみたいという方はYouTubeライブで行われた公式映像をどうぞ!
宝木争奪戦終了
宝木を持った者がゴールとなる門をくぐると争奪戦終了。今回は宝木投下の決着まではおよそ10分でした。決着がつくと参加者はぞろぞろと仁王門(裸専用の出入口)から帰り始めます。
が、実際には決着後にも境内に残って小競り合いを続ける人達も。運営側は基本的に止めに入らないようです。小競り合いも収まり、全体が帰ろうムードになったのは開始から15分を過ぎた頃。
出入口は見事なまでに警察官によって厳重に包囲されています。出入口のみならず境内にも多数の警察官が配備、それほどまでに揉め事が起きやすいのでしょうね。ただ自分が見ている分には場外乱闘などはありませんでした。
帰り際、病院の玄関前に無料特設浴場が設置されているのを発見。参加者のためのお風呂のようですが、一応誰でも入っていいみたいです。寒い中の裸ですもん、これは命の風呂と言っても過言ではない!
西大寺会陽の活気はすごかった!
生放送視聴者の方の中に沖縄からはだか祭り参加者として数回来ているという人がおられました。この祭りにはそれだけの魔力があるのでしょう。自分もふんどしで参加してみたい気持ち半分、寒いの嫌い半分。見るぶんには活気があって楽しかったです!
会陽の翌日からの2週間は「会陽あと祭り」が開催されます。会陽の露店に新たな出店が加わった植木市でこれまた多くの人で賑わうお祭りの延長戦となります。
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