かつて戦国時代に尼子氏が拠点とし、難攻不落の要塞と言われた月山富田城。今となっては城跡となっているためか訪れる人はそんなに多くない様子。しかしこれがなかなか面白い場所なのです。
城好きでなくとも、歴史の知識を持ち合わせていなくとも、その凄さは体感できるはず。お城を楽しむコツは敵兵になって攻め込む視点で見る。今からこれを実践した月山富田城攻略戦結果をお伝えしていきますのでどうぞお付き合いほどを。
月山富田城跡
道の駅から攻略開始
すぐ裏の急斜面を登ると結構の高さがあって見通しが良し。見張りに見つからないように侵入するのは難しそう。ここで崖下の敵と攻防を繰り広げていたわけですね。
ちょっと登ったくらいで全容は掴めるほど簡単じゃないのがこの要塞。さらに奥へと400mほど進むも本丸跡などはまだ見えてきません。見えてきたのは角のある兜をかぶり槍を持った武士の銅像。え…本多忠勝??
いいえ、尼子家家臣筆頭の山中鹿介幸盛でした。
道の駅を出発して15分。なにか山の上へと続く道が見えるのですが、あれはもしや…。
この山こそが富田城跡の本番だったのです。すでに結構歩いて来たのにこれからさらに登るだなんて…、かなりハードな城じゃないか!でも負けられない戦いが、ここにある。
本丸へ
頂上まで20分の階段道が続くというわけですか。足首のストレッチ、屈伸、アキレス腱伸ばし、覚悟はよろしいですか?
幾度となく繰り返すつづら折り。しかし道は整備されていて歩きやすいので意外とスイスイ登っていけます。
斜面は非常に急!本来ならこの斜面を甲冑装備で攻め込む、と考えると相当なことですよ。というか無理!
山吹井戸
山の7合目くらいのところに井戸が!?
足元を見ると小さな水たまり。ということはこれは自噴の井戸?まさかこんな山の上でも水が湧くとは驚き!これは尼子軍が籠城する上で有利な要素ですね。
さらに階段道を登って振り返ると、うねうねと蛇行している登山道が物語る山の険しさ。
直線で登るには無理があるし、かと言ってこの道で攻め込んできても返り討ちに遭うだろうし、相当厳しい城攻めだこれ…。はぁはぁ。
三ノ丸
登り始めて10分ほどで三ノ丸に到着!コケが生えていない部分は地中に埋まっていた当時の石垣らしい。のですが、どこのことだかイマイチよくわかりません。
三ノ丸攻略を遂げたら石垣を一段登って二ノ丸へ。
二ノ丸
ここからは周囲が広く見渡せます。下界に見える川と谷、こう見ると福井県の一乗谷や兵庫県の竹田城とも似たロケーションですね。
天空の鳥居を発見!石鳥居ですが風化具合から言って当時のものではないでしょう。
二ノ丸広場は細く突き出た感じになっているため外敵の見張りをするにはもってこい! 春には天空の桜が綺麗そうです。
本丸跡
本丸から見た二ノ丸はほぼ同じ高さ。こりゃあ二ノ丸まで落とせば勝ったも同然でしょうね。 とはいえ二の丸に辿り着くことすら叶わなさそうですが。
ここで月山富田城の歴史についてお勉強しましょう!
要約しますと、『尼子氏は毛利軍をこの城で迎え撃ち、山中鹿介の活躍により撤退へと追い込む。しかし毛利元就は兵糧攻めに転換、2年に渡る戦いの末に尼子氏はこの地で滅亡した』ということです。
尼子氏が籠城戦で滅亡したのだから難攻不落の城ではないと思います!と物申したいところですが、富田城自体は持ちこたえたので一度も落城していないという記録なんだそうです。いずれにせよ山城も良し悪しですね。
本丸は細長く、天守閣を建てるには狭いのではと感じるほど。当時はどんな建物だったのか気になるところですがここにそれを知るものはなし。今あるのは神社のみで、本来灯籠だったっぽいものがただの石積みと化しています。
狛犬は風化とひび割れが見られますがいつの時代のものでしょう?
台座を見ると文政5年(1822年)ものらしい。つまりは城跡となった後に神社が建てられたということですね。
神社参拝は周囲をぐるっとまわるだけ。御朱印は道の駅の歴史資料館で頂けるとのことです。
それにしてもここの城主は山中鹿介だったのでは?というくらい尼子氏の影が薄い。設置されている説明文や像も鹿介中心、主君より明らかに家臣が持ち上げられています。休憩所にはこんな鹿介アイテムも用意されていましたし。
鹿介「我に七難八苦を与えよ(ドM)」
駐車場
【道の駅 広瀬富田城】
月山富田城に関する歴史資料館のある道の駅です。今回の出発点がここでした。
【富田城跡無料駐車場】
道の駅から500mほど山側に進んだ所に駐車場があります。少しわかりにくいですが、時間のない方はこちらに駐めるのが正解。道の駅だと往復1kmほど余計に歩くことになりますのでご注意を。
これにて月山富田城攻略戦は終了! 攻略戦シミュレーションした結果はどのようになりましたか?自分の答えは毛利元就と同じ。
とにかくすごく攻めにくい!むしろ攻めないのが正解!
興味を持たれた方は是非ご自身のその足で攻め込み、難攻不落を体感してみてください。一乗谷よりも竹田城よりも難解な攻略戦になるでしょう。
月山富田城跡 | |
住所 |
島根県安来市広瀬町富田 |
見学時間 |
24時間 |
所要時間 |
約2時間 |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
無料 |
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