釜あげ蕎麦をご存知ですか?釜揚げうどんではありません。出雲、松江あたりでは一般的な蕎麦の食べ方らしいのです。「島根の蕎麦=割子」という感覚が強すぎて釜あげなんて目にも留まらずでしたが、各店のメニュー表をよく見ると結構普通に釜あげ蕎麦があるあるじゃないですか。
釜あげ蕎麦という未知との遭遇を果たしたのは、釜あげ蕎麦を教えてくれた方にオススメして頂いた出雲にある八川そば。今思えば初めての釜あげがここで本当に良かった。ここじゃなければ自分は再び割子派に出戻っていたかも知れない。
八川そば
出雲は出雲でも奥出雲町、出雲大社からは50km以上離れている山奥です。JR木次線の八川駅の目の前にあるのが八川そば、というより八川そばの裏にあるのが八川駅といった位置関係でお店は見つけやすい。
そばはもちろん手打ち。地元産のものを一日に使う分だけを少しずつ挽いている使用しているそうです。ちなみにお米は地元の仁多米を使用しているとのこと。
メニュー
さすが山奥だけあってキノコや山菜類が豊富。
しかし自分は釜あげそば狙いで来ているので迷うことなく次のページへ。決してキノコが嫌いだからとかそういう話ではありません。
本当にあった釜あげそば!狙い通りに即注文です。
釜あげそば
この時はまだ釜あげそばの姿や食べ方という予備知識すら全くない状態。釜揚げうどんの蕎麦バージョンですよね?ってあの頃の自分は思っていました。
おやおやちょっと様子が違うぞ?茹で汁から蕎麦をすくってつける蕎麦つゆがない。
と思ったら店員さんから丁寧な説明を頂きました。「つゆは一緒に入れておりますので薄かったり濃かったりしたら遠慮なくおっしゃってください」
茹で上げたそばを茹で汁と一緒に丼に盛って、つゆも薬味も全てその1杯に加えて完結させるのが釜揚げそばだったのです。
その発想はなかった!でも蕎麦湯を飲むことを考えれば確かにこのスタイルがあっても不思議はないのかも。
それにしても蕎麦湯が濃い!見た目からも想像出来る通り、この蕎麦湯はかなり濃厚ドロリッチです。ラーメンとかにはこういうドロッとスープのお店も多いですよね。
自分はドロリスープの麺ってあまり好まないのですが、この釜あげそばはグサッとハートに刺さりました!こんな蕎麦があったなんて!!
僕のドロリッチ麺苦手が少し覆された瞬間です。他店の釜あげそばも色々食べてみたいと思った昼下がりのそば情事。八川そばによって僕は釜あげそばの虜にされてしまったようです。汁まで完飲してごちそうさまでした!
八川そば | |
住所 |
島根県仁多郡奥出雲町八川99-1 |
営業時間 |
11:00~16:00 |
定休日 |
火曜 |
駐車場 |
無料 |
他店の釜あげそば
すっかり釜あげ蕎麦に魅了されてしまった後日、釜あげそば道に精進すべく他店でも食べたくなったのは自然な流れです。
出雲そば かねや
出雲市にある行列のできる人気店に30分並んで食べました!しかし見た目にインパクトがないというか少し寂しい…。味の印象としても同じく…。蕎麦自体は美味しいのですが、期待していたほどの釜あげ感がなかったのです。
献上そば 羽根屋本店
釜あげそば、薬味、そばつゆが全て別になって出てきた上品タイプ。蕎麦湯も別についてきましたが、丼の中の汁が少なめ。もっと茹で汁を!もっと汁に濃さを!!羽根屋の場合は釜あげよりも割子そばのほうがオススメです。
手打ちそば 東風
若い店主が作る創作系メニューも扱う蕎麦屋さん。十割でゴツゴツとして風味は強く美味しい。前述2店舗よりも好みの汁ですが、やはり八川そばには及ばず。釜揚げとしては上品すぎるんですよね。東風で食べるなら創作系そばがいいかも。
八川そばの濃度は別格
釜あげそばは汁にとろみがそこまでなくて食べやすいのが一般的なのかもしれません。たまたま初めて食べた八川そばがすごく濃厚で、それが自分のどストライクということだったのかも。
そう考えると八川そばの釜あげはオンリーワンで偉大な存在なのかも知れません。もう少しだけ他店の釜あげ調査も継続してみようと思いますが、釜あげそばを食べたことがないというみなさんは、ぜひ八川そばで食べてください!
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