若桜鉄道のピンクSLとレトロな駅舎を活かしたカフェretro【鳥取観光スポット】

鳥取県を走る若桜鉄道に期間限定でピンク色をしたSLが登場するらしい。しかもコロナ禍の影響でお披露目されるのは4年ぶり。そんな話を聞いて『この機に見ておかねば！』となったのが2023年10月末のことです。

若桜駅でピンクSL

若桜鉄道は郡家駅と若桜駅を結ぶ全長19.2kmの第三セクター鉄道。その若桜駅にはピンクSLの効果もあってか多くの観光客が押し寄せていました。

さてピンクの物体はどこにと探すまでもなくド派手な車体を発見。あれに違いない！

桜のような淡い色にはとどまらない見事なまでに強烈なピンク。普段は黒色のSLをイベント(9日間)のためにピンク色に塗装したそうです。

ではみなさんお待ちかね、このピンク色が実際に走行している姿がこちら！と計画していたのに問題発生です。

なんと走行するのはイベント初日のみ。しかも駅構内を往復するだけで、それ以外は停車しているのを見学するだけという内容だったのです。

当時の公式サイトでの案内では、ピンクSLが若桜＝鳥取を往復すると勘違いするような記載となっており、見事その落とし穴にすっぽり。勝手にハマっただけですが、何度読み直しても本当に紛らわしかった！と強く主張しておこう。

展示されているピンクの車体を間近で見たい場合は大人300円の入構券を購入しましょう。140円の入場券ではなく入構券が必要です。

自分はそこまでして近くで見なくても、動かないならもう十分かなって、やる気スイッチがオフ。ただそれよりも興味があるものを見つけてしまったのです。

それがレトロ調に改装された若桜駅舎内で営業する『わかさカフェretro』、ここで思い出の一杯タイムとまいりましょう。

わかさカフェ retro

『コーヒーは種類を選べますがどれにいたしますか？』

セットのコーヒーはブレンドと書かれていますが3種から選べるようです。ならばほろ苦いピンクSLの思い出にかけてトラジャで！

『後ろのラウンジでお待ち下さい』

案内されて振り返るとそこがイートインスペースであるラウンジです。

席から眺める窓の外には出発待ちの列車の姿。この列車もレトロ調に仕上がっており、デザインしたのはJR九州の車両を手掛けた水戸岡鋭治氏です。

ドリンクはテイクアウト容器での提供が基本ですが、平日に限りコーヒーカップやグラスに変更してもらえるそうです。スッキリとした甘さと酸味のニューヨークチーズケーキには甘酸っぱいベリーソースがたっぷりと。

ラウンジにはないエアコンまで完備しているなんて至れり尽くせり。飲食席として利用もできるようで、ここでゲームをしながらハンバーガーを頬張る子どもたちの姿も。

彼らが食べていたハンバーガーがこちら。牛肉ではなく若狭町産の豚肉をパティに使っていて、手作り感があってこれも美味しそう。

毎年1回のピンクSLイベントだけではなく、レトロな車両などで観光客増加に努めている若桜鉄道。その効果もあってインバウンド率は結構高め。実際に若桜駅から乗車して隼駅で下車する中国人団体客も目撃しましたし、ツアーに組まれているようです。

ちなみに隼駅はその名前からバイク乗りが集まるスポットでもありますし、それを狙った観光整備もされています。若桜鉄道はイベント抜きでも観光スポットとしてなかなか面白いのでは？という頑張る地方鉄道でした。