熊本県南部の津奈木町には何があるの?
今なら即答できます。面白い温泉がある!
鹿児島に向けて素通りしようとしていた自分の足を止めたのは『この町に確かケーブルカーだったか、ロープウェイだったか、モノレールだったかに乗っていく変わった温泉があるよ。』というふんわりした情報でした。
つなぎ温泉 四季彩
ふんわりとした情報に好奇心を刺激され、やって来たのはつなぎ温泉四季彩。どうやら津奈木町営の施設のようで、一見すると何の変哲も…
ないと思わせて視線を少し右にずらすと…
えぇっ…!この急斜面に架かっているレールがそうなの!?いやいやこれは荷物運搬用とかであって人間用ではないですよね?
あ、ちゃんと車両があった…。ということはあの上にあるのが展望露天風呂で、そのためだけにモノレールで上がるということなのですね。確かにこれは変わっているし面白い!
入浴料
でもお高いんでしょう?そう思っていた頃があなたにも私にもありました。これが驚くほどお安いのです。
まず必要になるのが入館料の大人400円。これは再入浴自由の大浴場(内湯・低周波浴・露天風呂・寝湯・サウナ・冷水浴)と休憩所の利用を含めての料金です。
これとは別にモノレールで行く展望露天風呂には追加料金が必要となります。それがなんとたったの100円!入浴料は入館料に含まれるため、モノレールの往復乗車料100円だけを追加で支払えばいいのです。
つまり500円で展望露天風呂・大浴場・休憩所の全部が利用できるのです!
券売機で入館券とモノレール券を購入し、受付に提出します。
『展望露天風呂は今すぐ入られますか?』
混雑しているかを訪ね返すと、誰も入っていないとのこと。今すぐ行きます!
モノレールに乗車
『ではこちらへどうぞ~』
受付のお姉さんに連れられて館内を進み、モノレール乗り場の入口へ。
ここでモノレール専用スリッパに履き替え、屋外へと出ます。
待機していたモノレールのドアが開かれ…
照明オン!お姉さんと二人っきりでの乗車ですが、ここで観光客感丸出し作戦発動。あの急斜面を30m高い位置まで登るモノレールに『おぉ~すごい』なんて感嘆したりして、二人っきりの気まずさを軽減することに成功。
そしてお姉さんは1人で帰っていった。
たった100円でここまでしてくれるなんて…!しかも帰りも迎えに来てもらうことになるわけで、維持費を考えてもどう考えても赤字のような。展望露天風呂は出血大サービスな存在、町営だから為せる業なのでしょう。
でも流石にあの車両が壊れたら展望露天風呂は廃止になるのかな…。というのは無用な心配でした。この半年後の2023年5月に新車両が導入されたのです!つなぎ温泉、やる気満々だ…。
展望露天風呂
入口はもちろん男女別ですよ。脱衣所には10円の有料コインロッカー。
もしくは脱衣カゴを利用します。先客は0ですし、後から誰か来たとしてもその前にモノレールで察知できるのでカゴで十分。
ありのままの姿になったら浴場の扉をオープン。新幹線と肥薩おれんじ鉄道、その奥に海が見える絶好のロケーション!
何が良いって、この空間を独り占めできているのが最高じゃないですか!お湯の温度はややぬるめくらいで長湯するにはちょうどいい。
行き交う新幹線を何本か眺めているうちにすっかり暗く、気づけば30分も浸かっていた。もうこれは素晴らしい体験をしたと断言できます。
ではそろそろ降りましょう。帰りはフロントに電話をかけて迎えに来てもらいます。またしても自分ひとりのためにお手数おかけします。
展望露天風呂には洗い場がありません。体を洗うなら大浴場で、ついでにもうひと浸かりしていきましょう。大浴場は岩窟を抜けた奥にありますよ。って、なんか色々すごいなこの温泉…。
大浴場は毎月1日に男女が入れ替わるそうです。
さらには家族風呂まであるし、休憩所もレストランもあるし、なんとも充実した温泉施設。なのに展望露天風呂は空いている穴場!?
でも考えてみると地元の人は展望露天風呂を頻繁には利用しないですよね。ほとんどが観光客の利用なのでしょう。だけど温泉自体にそこまで観光客が多くない…という穴場だったのかもしれません。もっと早くに出会いたかった!
つなぎ温泉 四季彩 | |
住所 |
熊本県葦北郡津奈木町岩城435 |
営業時間 |
10:00~21:00(モノレールは20時まで) |
定休日 |
毎月第1水曜・12/31・1/1 |
入浴料 |
大人400円 / 小学生300円 |
駐車場 |
無料 |
公式URL | https://www.town.tsunagi.lg.jp/shikisai |
コメントをお書きください