日本で唯一の「放水する石造りのアーチ橋」という珍しい光景を求めて向かったのは熊本県山都町の通潤橋。実際に目の当たりにした光景は珍しさに加えて、美しい形状と放水の迫力が想像を超える素晴らしさだったのです!
通潤橋
山都市は熊本市から車で約1時間。まずは通潤橋の駐車場である道の駅へ向かい、到着したのは放水開始時刻の20分前。普通車130台ほどのスペースがあるのにも関わらずすでに車やバスで混雑状態。11月の平日でこれなら繁忙期は注意ですね。ちなみに土日祝は山都町役場の駐車場も利用可能となるそうです。
さて肝心の通潤橋はどこに?もしかして向こうに見えるあの大きな橋!?
日本最大級の石橋
近づいてみると人が粒に感じるその大きさ。水路の長さ126m、橋の長さ75.6m、橋の幅6.3m、橋の高さ20.2m、アーチの半径27.6m、完成した1854年当時としては相当なビッグブリッジだったでしょう。川面に映る逆さ通潤橋もまたいい感じ。
お城の石垣のような橋台に架かるアーチが扇形を形成していて美しい!
通潤橋は水路橋であって通行人用ではないのですが、橋の上に人がいるのにお気づきですか?放水が行われる日限定で橋上へと行けるのです。
つまり橋上から吹き出る水を間近にして見下ろすこともできる。希望者は12時30分までの申込みが必要で大人500円です。
今回は下から見ようと高台に少し登って準備をしつつ13時を待ちます。おや?橋の中央で係員さんらしき人が何か作業をしている?と思ったら両側に放水ブシャー!
さらに下段の放水口からも水が吹き出して勢いはMAXに!これは想像していた以上の大迫力!
これには小学生達も大はしゃぎ。そして大人も思わず歓声をあげてしまうほど。
高台から降りて水際に最接近してみると…舞う水滴でバッチリ濡れますよ?でも石のアーチから描かれる水のアーチのクロスが美しい。
吹き出る水の勢いに川面も乱れて逆さ通潤橋は消失!
なぜ放水するのか?
通潤橋は内部にトンネル型の送水路を通し、腐食しないよう石材を用い、隙間に漆喰を塗って水漏れを防ぐなど、谷間を渡って台地に水を送るための先人の知恵が詰まったトリッキー構造です。しかしこの機能を維持するためには内部に堆積した土砂などを除去する必要がある、そのために行うのが中央部から放水というわけなのです。
放水予定日
放水が行われるのは毎年「4月~5月上旬・7月下旬~11月」の期間限定。5月中旬からは農業用水に利用するため、12月からは凍結防止のために放水休止となります。期間中でも毎日放水が行われるわけではないので事前に予定日を公式サイトでチェック!
放水開始の13時に遅刻厳禁!
放水は13時からの約15分間となっていますが、10分経過時には勢いが弱まり2本あった水流は空中で合体し1本になってしまいました。
13分経過頃にはすっかり放水の勢いが落ち着いて水鏡が復活。
15分経過しても放水は止まらず、25分が経過してもまだ続いていました。しかし序盤とは明らかに勢いが違うため、見学は開始5分以内がベスト。せっかくの迫力を堪能しなければもったいない!チャンスは1日1回なのでまさに遅刻厳禁!
通潤橋 | |
住所 |
熊本県上益城郡山都町長原 |
営業時間 |
見学は24時間自由 |
定休日 |
年中無休 |
所要時間 |
30分 |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
無料(道の駅通潤橋) |
公式URL | https://tsujunbridge.jp |
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