『一つには~、◯◯のため~~なり!』
読経で鍛えたのであろうその美声に続き、鐘の音が響く。
熊本県玉名市にある蓮華院誕生寺。この地で生まれた皇円大菩薩をご本尊として祀る真言律宗のお寺ですが、その奥之院がなかなか興味深いお寺だったのです。
蓮華院御誕生寺 奥之院
誕生寺本院から約3kmほど北に位置する奥之院。アクセスするには山道を登ることになりますが、南側からの道は観光バスも通る道幅があって問題なし。しかし北側からのアクセスはかなり細い道になるのでオススメしません!
参詣料は大人200円・小人150円。その料金の低さとは裏腹に、境内は広く見所も多い場所だったのです。では綺麗な手入れの行き届いた奥之院を見ていきましょう。
鐘楼
吊るされている鐘はなんと世界最大級。飛龍の鐘といわれ、直径2.88m、厚さ32cm、重さ37.5tという大梵鐘なのです。そして梵鐘の大きさのみならず鐘楼も相当な立派さ。
仁王門
五重塔の少し手前に並んでいるのは仁王門。
ここに安置されるのは九州一高さ3.9mを誇る仁王像。玉名市周辺にはユニークな仁王像が点在しますが、ここはまさに番人といった迫力ある姿をしています。
五重塔
奥之院の本堂を兼ねる巨大な五重塔。その各層が修行道場(受戒・写経・護摩・阿字観・法輪)となっていて、一般参詣者も体験することができるそうです。ちなみに第五層は若い人の縁結びにご利益があるらしいですよ。何歳までを若いとするのかは…気持ち次第かも!?
また最上層は展望台を兼ねており、こんな景色が拝めるそうです。
角度を変えて眺める五重塔もいい感じ。こう見るとかなり立派なのがわかりますね。
大仏
境内の入口からまっすぐ伸びる参道を歩いていると何やら視線を感じる気が?あの小高い丘の上に見えるのは、まさかっ…!?
間違いない、大仏像だ。
大仏の足元に行くため2つの石段を登ります。ここには厄祓いのご利益があり、特に厄年の人は『南無皇円大菩薩(なむこうえんだいぼさつ)』と唱えながら石段の中央を登るとよいそうです。まずは32段の女坂で女性の厄払い。
続いて60段の男坂で男性の厄払い。
その先におられるのが皇円大菩薩、誕生寺の御本尊。ちなみに皇円大菩薩(皇円上人)は1073年に生誕した藤原重兼の長男だそうです。
真宝道
大仏を参拝した後は参道をUターンせずに右側の道へ。読み方は「しんぽうどう」?ひょっとすると「まほうみち」?108mのこの道を歩けば108の煩悩を落ちると言う除夜の鐘いらずなのです。
開山堂
開山上人を祀っている六角形の屋根が美しい御堂。
厄皿投げの場
素焼きのお皿に願い事を書いて谷に向かって投げると願いが叶う(厄が払われる)という、いわゆる「かわらけ投げ」みたいなものです。違いは、輪の中を通すとかのアトラクション要素がない点でしょうか。
素焼きの皿は一枚500円!?
展望所と縁結びの鐘
玉名の街を見下ろす展望所と、そこに設置された縁結びの鐘。
鐘は左から「家族、恋人、隣人」となっています。隣人との縁結び?これは『ご近所付き合いが円満にいきますよーに』ってことなのでしょうか?
ここまで拝観したらお帰りの道へ。
鐘撞きに参加
奥の院の参拝はこれにて終わり。さてお昼ご飯にでもと出口に向かっていたその時っ…、梵鐘撞きを行う旨の場内アナウンスが入ります。ここでは毎日正午、参詣者の中から6人が鐘撞に無料で参加することができるのです。
11時50分頃。大梵鐘の扉を開き、お坊さんが梵鐘の前で参加希望者6名を募ります。しかしこの時希望したのは定員未満の5人だけ。意外にも撞くより見学したい人のほうが多いみたいです。
ここで冒頭の『1つには~、〇〇のため~~なり!』という超絶美声が!そしてずっしりと力強い鐘の音が境内に響き渡ります。その様子がこちら!
『6つには~』まで鐘撞きを行って祈願終了。特別すごい儀式というわけではありませんが、見入ってしまう力がここにあるのです。鐘撞きにが行われるのは毎日正午。せっかく参拝するならばこの時刻に合わせて行くのがオススメですよ。
蓮華院誕生寺 奥之院 | |
住所 |
熊本県玉名市築地1512-77 |
拝観時間 |
9:00~17:00 |
定休日 |
年中無休 |
所要時間 |
約1時間 |
入場料 |
大人200円 / 小人150円 |
駐車場 |
無料 |
公式URL | http://www.okunoin-ren.jp |
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