福島市の吾妻連峰中腹にある土湯温泉。福島市の温泉街では飯坂温泉が有名で土湯温泉はやや日陰な存在かも知れません。昔ながらの温泉街で、古い建物も多く、全国各地の温泉街と同様に決して好況とは言えないのは明白です。
その一方で各所にリニューアルを加えて、なんとか人を呼び込もうという努力も見えます。そこで応援の意味をこめつつ、良い点・足りない点を含めたリアルな土湯温泉をここに紹介したいと思います。
土湯温泉
アクセスと駐車場
アクセス
福島市中心部からは南西へ約15km、車で30分程度の場所にある土湯温泉。福島駅から路線バスで860円、毎日12往復以上出ているのでアクセスは悪くありません。観光協会は秘湯とも謳っていますが、むしろ気軽に行けるくらいの場所です。
駐車場
土湯温泉は渓谷にできた狭い温泉街のため駐車場が十分とは言えません。宿泊や日帰り入浴客は各施設が用意している駐車場を利用できますが、散策目的の場合は温泉街まで徒歩約5分の「土湯温泉観光交流センター湯愛舞台(ゆめぶたい)」に駐車します。料金は無料で広々63台駐車可能。
湯愛舞台は案内所、こけしの展示&体験、休憩所、イベントスペースなどの機能を備えたいわゆる観光拠点で、まだ新しさを感じる綺麗な施設です。ただいまいち活用できていない、余っている空間が目立つのがもったいないところ。この舞台から土湯温泉を展望すると、狭い土地に形成しているのがよくわかります。
湯愛舞台から温泉街まではエレベーターで下に降りると楽です。そこから約300mで温泉街の門番となる大きなこけしが出現。
案内図で観光要素を探すと、どうやら足湯を何ヶ所か整備しているようです。それではぶらり土湯温泉は足湯巡りを軸にして参りましょう。
足湯めぐり
土ゆっこ
温泉街から少しだけ山の方へ逸れた場所にある足湯「土ゆっこ」を目指すと、そこにはクマ注意の看板が…。
木製階段を登ってすぐの川沿いに土ゆっこを発見!ゴミ箱も設置された良い東屋付き足湯じゃないですか。
と思いきや足湯に屋根はなく野ざらしでした。落ち葉の入浴は目立ちますが汚い感じもなく、おそらく定期的に清掃されているのかと思われます。
それではひとっ風呂いただきます。自然の中で川のせせらぎを聴きながら浸かる足湯。というロケーションもさることながら、お湯がちゃんと熱いのが良い!体感では41~42℃くらい。しっかりと温まった足は赤く、ふくらはぎにその境界線がしっかりと。
ぽかぽかになった足で、土ゆっこから少し上流に進んでいくと吊り橋が出現。
ただし吊り橋の上からは見渡せる景色は360度ほぼ森林です。紅葉の時期ならばなかなか綺麗ですが、景色よりも吊り橋を渡ることを目的に来るのが良いかと。
月のゆぶじぇ
温泉街側に戻り向かった次の足湯は「月のゆぶじぇ」です。特にオブジェもなく…、ネーミングについてはよくわかりません。元々は木造の古く小さな足湯だったものが、リニューアルされて綺麗な足湯となっています。
後から来たカップルが『この上に乗って入るの?』なんて真顔で言っていましたが、足湯はこちらではありませんよ。
そこから隣に流れ落ちたお湯が足湯ですよっと。土ゆっこほど熱くはないものの、ちゃんと温まる温度をキープ。何より綺麗なのが浸かっていて気持ち良いですね。
きぼっこの湯
土湯温泉の中心部、中之湯前の広場にあるのが「きぼっこの湯」です。
これが足湯なのかモニュメントなのか、若干判断に困りましたがやはり足湯でした。ただしお湯はぬるめなので物足りなさを感じます。
かじかの湯
きぼっこの湯から橋を渡ってすぐにあるのが「かじかの湯」です。
ここが一番広い足湯のようですが、お湯はぬるくて浅めであまり温まりません。お湯の噴出口でなんとか温まれるレベル。この日は11月4日でしたが、これより寒い時期に利用するのは厳しいかも。老朽化もやや目立ち始めていますね。
以上で土湯温泉の足湯めぐりは完了。全て近隣に固まっているので巡る事自体は簡単でした。おすすめは「土ゆっこ」に決まり!
その他の土湯温泉
湯楽座(観光協会)
温泉街に並ぶ商店はレトロなお店が多く活気があるとは言い難い状況ですが、そこから生まれ変わろうとしている姿も見受けられます。湯楽座は観光案内所、売店、レストランが集まった観光客に便利な施設。割引入浴券もここで販売されています。当時もリニューアルが進められており、土湯温泉の再生と観光の拠点と言えるかも。
源泉たまご
土湯温泉で一番の有名な食べ物とも耳にした「旅館が作る源泉たまご」です。こちらの旅館も一部をリニューアルし、温泉たまごプリンが楽しめる「カフェ源泉湯庵 森山」となったようです。
中之湯
土湯温泉街の中でもひときわ綺麗で存在感のある建物がさきほども登場した中之湯です。各旅館でも日帰り入浴は行っていますが、公衆浴場は唯一ここだけ。最後に足だけではなく全身も温まっていきましょう。
建物は新しく非常に綺麗。貸切風呂や湯上り後の休憩所も完備しています。
入浴料は大人500円。シャンプー・ボディーソープなどの備え付けはありません。必要なものは持参するか、ここで購入しましょう。
貴重品の保管はロッカーがあるので安心です。ただ大浴場の湯船は少し残念。内湯と露天風呂を合わせても10人を超えずにもう窮屈そう…、お世辞にも広いとは言えないのです。建物自体が立派なだけに『え?これだけ?』となったのは正直な感想です。もし混雑しているようでしたら、温泉宿の日帰り入浴のほうを選ぶのも手でしょう。
街歩きの見どころが豊富、とは現状では言えません。しかし各所でリニューアルを続けている姿勢は魅力的ですし、1~2時間散策するには結構いい場所だと思うのです。今回紹介した以外にも温泉蒸し料理の食堂や、テナガエビ釣り体験ができるカフェなども新しくオープンしていますので、とりあえず軽い気持ちで土湯温泉に行ってみませんか?
土湯温泉 | |
住所 |
福島県福島市土湯温泉町 |
所要時間 |
散策1~2時間程度 |
駐車場 |
無料 |
公式URL | https://www.tcy.jp |
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