京都市にある龍安寺の石庭はなかなか考えさせられるものでした。禅の思想を盛り込んだその石庭が昨今では外国人(特に西洋人)にも人気のようですよ。僕が訪問した時も日本人より西洋人の方が多い感じでした。
龍安寺
訪れたのは2017年10月23日。本来なら六甲山のアートイベントに行く予定でしたが台風の影響で取りやめ。代わりにやってきたのが久々の龍安寺です。
予想はしていましたが平日の午前中&雨天気味なのに人が多い!そして縁側に座っている西洋人率の高さに驚き。6割位は西洋人の方じゃないか思われる人気の高さです。
禅の石庭
枯山水のこの庭にはちょっとした仕掛けが施されています。その1つは塀、何かお気づきになりますか?
奥に行くほどに塀の高さが低くなるように造られているのです。それは目の錯覚で石庭をより広く見せるための工夫。パノラマ写真で見ると塀の左側が高く右側が低くなっているのがわかるかと思います。
そしてもう1つ。
この枯山水の中には大きめの「石が全部で15個」配置されています。しかしそれを1つの場所から動かずに見渡しても14個までしか見つからない!
それもそのはず、そのように石を配置しているから。縁側のごく限られた場所からだけ、15個の石を一度に見渡せるように造られています。なぜ?
15個の石と配置の意味
この庭は禅の考えに基づいて作られており、15は満数で完全を意味します。十五夜の満月とかの15も同様です。その15のうちの14個しか見えない=完全には少し及ばない。けれどそこに美徳がある。
『少し足りないくらいでも満足する心の豊かさが大切』という禅の教えを表した庭ということです。
これはなかなか写真では伝わらないと思いますので、実際に現地をご覧になってみてください。そして15個全てを見渡せるポイントを探してみて下さい。ただし14個でも満足できる心を持って臨むのが大事ですよ。
吾唯足知
さらにこの石庭の裏側にも禅の教えを説いたこんな物があります。
雨で濡れて見づらくなってしまっていますが、キーホルダーで見るとこのように書いています。意味はわかりますか?
これは真ん中の□が漢字の口を表しています。それを上右下左の字の一部として考えると
「吾唯足知(われただたるをしる)」
となります。これは
「私は満足するということを知っている」
という禅の教え、先程の15個の石と同じような考え方となるわけです。
このように外観の美だけではなく、内面の美の工夫も施されたのが龍安寺の石庭素晴らしさというわけです。欲張りすぎないことが肝要ということで、よく言われるところの「腹八分」に通ずるものがありますね!
龍安寺の石庭は自分のお気に入りのスポット1つです。しかし、観光客も増えあまりゆったりとは出来ない状況に。そんな時は朝一番で拝観すると朝の空気と静けさを堪能できるかもしれません。あくまで「かもしれません」ですけど。
龍安寺 | |
住所 |
京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13 |
拝観時間 |
3~11月 / 8:00~17:00 12~2月 / 8:30~16:30 |
定休日 |
年中無休 |
拝観料 |
大人500円 |
駐車場 |
参拝者は1時間無料 |
公式URL | http://www.ryoanji.jp/smph/ |
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林 是 (Saturday, 26 September 2020 16:24)
10/2に龍安寺に行きますが[吾唯足知]のキーホルダーがどこで購入出来ますか?
もずく(管理人) (Sunday, 27 September 2020 00:34)
龍安寺のお寺の中に売店がありますのでそこで購入できますよー。