久松山の自然地形を利用した山城である鳥取城。山頂にある天守を攻め落とすのが難しいと判断した豊臣秀吉は兵糧攻めを実施し、鳥取城を陥落させる。これは後に『鳥取城の渇え殺し』と言われるほど凄惨な兵糧攻めであったそうです。
今から鳥取城を攻めて行きたいと思います。もちろん山頂まで!
鳥取城跡
久松山を背後にして麓には現在復元中の城址、山上に天守跡が残る鳥取城です。雨まじりの悪コンディションですが、山頂まで攻略するぞ!と息巻いて出発。
2021年3月に復元が完了した中ノ御門表門(大手門)です。ここから敵の城内へ参る!と突撃するも復元したのは門だけでその先がまだ工事中で通行止めだと…!?
いきなり出鼻をくじかれましたが、進路を断たれたわけではない!県立博物館前の迂回ルートを使って攻め込みます。
最終的にあの山の上(標高263m)まで登りきれば制圧完了。勝利者だけが拝める景色がどんなものかワクワクすっぞ!
まずは麓の城址から攻略を開始。奥行きよりも横に広がっている構造が特徴的です。
復元された石垣の角だけ綺麗すぎて少し違和感も。石垣の中に丸く窪んでいる石があります。あれは手水鉢を石垣に用いたもので築城当時からのものだそうです。
石垣がすごく高かったり入り組んでいるというわけでもなく、堀を越えれば広範囲から石垣を攻め込めそう。麓を陥落させるだけならばさほど難しくなさそうな印象です。
しかしこの時は麓の攻略戦でなかなかの苦戦を強いられたのです。なにせ工事中の通行止めが各所に多発していたのですから。これでは攻めるに攻め込みづらい!
看板にこのあたりからのアングルが撮影スポットだと書かれていたのでパシャリ。どういう意図なのかはよくわかりませぬ。
鳥取城跡の見所であるのが、石垣の補強を目的に造られた球面体の巻石垣です。河川の護岸などに用いられる巻石垣が城に応用されているのは非常に珍しいのですって。
でもこれだと攻め込むための足場となってしまうでは?とも思いますが、巻石垣が造設された江戸時代後期には戦の想定をしていなかったのかもしれません。
石垣の上は公園としてベンチが設置されている程度で他には特に何もありません。街の景色を見渡すにもやや高度不足。
ここでは石垣を眺めながら昔の姿に思いを馳せるのがメインコンテンツかもしれません。以上で麓の城址は攻略完了!
山上へ
続いて頂上に残る城跡に攻め込んでいきます!中坂稲荷神社の鳥居がその登山道の入口となるのですが、その横に視線を向けると【注意!!クマ出没】の看板が!?
え・・・
意気揚々と攻め込んではいるものの、クマが相手となっては話が変わりますよ。熊鈴持ってきてないし。
と30秒悩んで導き出した答えは『こうなったらやむを得ない、歌いながら登ろう!そうは言ってもクマの目撃が多発しているわけではないでしょう。』という楽天家発想。
登山道は一応整備されていますが、一応です。登山者に向けた看板には「この先は急な登り、足場が悪い、滑りやすい、なので注意して自己責任で登ってね」と要約するとこんな感じの内容が。
確かに結構な急坂の上に狭い。さらに雨が降った直後なので余計に滑りやすい。
足場の悪い不安定な場所もありますが柵がついているだけありがたや~。転倒はあっても転落の心配は大丈夫そうです。
鳥居から登り始めて15分で五合目に到達。気になるのはクマ目撃情報が「多発」に進化している点ですね…。クマが活性化する夕方も近づいてきているので早急に攻略して帰還せねば!
登り始めて25分で山上の石垣が出現。急斜面と足場の悪さで…ハァハァ…思ったより疲れましたが…もう少しで天守台。
頂上の直前に何やら廃墟のようなものを発見。後に調べてみたところ、これは1976年に廃止となった久松山ロープウェイの山上駅跡だそうで、現在は休憩所となっています。
そして頂上である天守櫓跡・太閤ヶ平跡に到達!雨ニモマケズ、熊ニモメゲズ、鳥居から登ること27分で鳥取城攻略に成功です。
これが太閤秀吉も眺めた(かも知れない)勝利者の景色だー!
と期待していましたが…、やはり雨まじりの曇天ではイマイチな眺望。鳥取駅、湖山池、鳥取砂丘コナン空港、海も鳥取砂丘も見渡せますが、晴れていればこその景色ですね
城跡は山上まで登るべきか?
山上の城跡には石垣が少しある程度で、特に何かあるわけでもありません。見所は景色くらいなものでしょう。ですので「城跡を目的にせず、軽い登山で景色を眺めに行くのがいいかな」というのが正直な感想です。
城がすごく好きで天守跡を拝みたい、という方じゃなければ麓の城址だけでも十分でしょう。復元工事が完了して自由に散策できるようになればもっと城址を楽しめそうです。
鳥取城跡 | |
住所 |
鳥取県鳥取市東町 |
営業時間 |
24時間 |
定休日 |
年中無休 |
所要時間 |
公園入口から山頂往復で1時間半~2時間 |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
県庁北側駐車場・無料 |
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