広島県呉市に「日本で一番距離の短い定期船の航路」がありました。なにそれ面白そう!乗ってみたい!って思いませんか?誰でも超気軽に乗れるのですよ。
それがこの小さな海峡を結ぶ渡し船です。
音戸渡船
音戸渡船は音戸の瀬戸両岸を結び、その距離は約120メートルの日本一短い定期航路。江戸時代から続く歴史ある渡し船で、人・自転車・原付が乗船できる地元の大切な足。とされていますが、観光資源として存続できている一面もあるようです。
※2020年9月より運行時間が7時~12時&14時~19時に変更
音戸大橋から北に100mほどの場所に音戸側の乗船場があります。歴史を感じる佇まいで、おそらくここで一番新しい物は自販機だろう。
チケットセンターで切符を買いましょう。すごーーーく味がある。
『ひとり往復でお願いします』
『往復で200円です。桟橋で待ってれば船来ますんで~』
往復料金を支払ったけれど、チケットが渡されない?復路の切符もないけれど…まぁいっかと桟橋に向かいます。時刻表はなく、客に合わせて随時運行するスタイルです。
結構大きめの船が頻繁に行き来し、その度に浮き桟橋が揺れる揺れる。
渡し船は対岸に停泊中。自分の存在に気づいたようで、大型船をやり過ごしたタイミングを見計らって小さい船が動き出す。
東南アジアでよく見るような船がやってきた。
ロープをぐーっと引っ張って船を引き寄せ、『どうぞー』と言われたら乗船。自分ひとりだけという貸し切り状態で出航します!
乗船中は立っているのもよし、簡易ベンチに座るのもよし。ご自由におくつろぎ下さい。
ちょっとした迫力ある景色とアドベンチャー感が味わえるのは小船ならでは。こんなの子供は喜ぶでしょ!(大人も喜んでいます)
3分ほどの乗船で対岸の警固屋側に到着です。こちら側には窓口すらなく完全無人。料金は音戸側で発着時に支払いという一括管理システムなわけですね、合理的。
付近を軽く散策してみるも、民家くらいしか見当たらない。よし戻ろう!滞在時間10分もせずに即Uターン。船は対岸にいるので桟橋で待ちます。
3分経過・・・こない
5分経過・・・こない
対岸に軽く手を振ってアピールしてみる・・・こない
もしかして自分はもうこの世にいないんじゃ?
自動ドアが自分を認識してくれないのと同じような感覚のまま待つこと8分。対岸から船が動き出した。よっ、待っていました!
料金はすでに往復分支払っていますがチケットレスです。果たして自分は無事に料金所を通過できるのだろうか!?下船し、料金所のお父さんと顔を合わせると…
『あ、さっきの往復のね、どうぞー』
顔パス成功!お父さんの記憶力を疑った僕をお許しください。往復200円で楽しい体験をありがとうございます!
設備の老朽化もかなり進んでいますし、今後しばらく存続できるとも言い切れなさそうな雰囲気ですのでご利用はお早めに!
と思っていた矢先に事業者から市に廃業の意向が示され、2021年10月31日にその幕を閉じたそうです。今後は桟橋などの設備も撤去される予定ですが、不定期航路としての存続も検討されているという話です。
音戸渡船(廃業前) | |
住所 |
広島県呉市音戸町引地1丁目5 |
営業時間 |
7:00~12:00 / 14:00~19:00 |
定休日 |
年中無休 |
所要時間 |
片道3分 |
入場料 |
大人片道100円 |
駐車場 |
おんど観光文化会館うずしおを利用で2時間無料 |
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