陸前高田市を襲った東日本大震災の津波でただ一本だけ流されずに残った松。これが「奇跡の一本松」として大きな話題を呼んだのをご存知ですか?あの一本松は今どうなっているのだろうか!?三陸ツーリングの際に初訪問してみました。
そこは現在、道の駅・震災遺構・津波伝承館などと合わせて高田松原津波復興祈念公園として整備され、三陸観光のゲートウェイとしても活躍する施設となっていたのです。
高田松原津波復興祈念公園
奇跡の一本松
まずは奇跡の一本松を見に行きましょう。道の駅と伝承館の間からまっすぐ海へ進みます。通路には献花台などが設置され、被災者への追悼の場ともなっているようです。
この日はやませの影響で絶賛濃霧発生中!海風に乗って霧が流れ込んでくるため、晴れているのに視界が…。
突き当たった防潮堤の高台から海を見渡しても真っ白。波の音は聞こえるものの、どこが海なのかは判別がつかないほどの濃霧、やませめ!
海から視線を右側に向けると、霧の中にひょろりと一本なにかが伸びている。うっすら見えるあれが奇跡の一本松!?
これは想像していたよりもかなり大きい。人間との比較でその大きさがよくわかるかと。調べてみたところによると全高27.7mもあるそうです。
ここで衝撃の事実をお知らせしましょう。実はこの一本松…、サイボーグなのです。というのも当時の一本松は津波による塩害で枯れてしまったのですって。まぁそうなりますよねー。
そこで震災遺構と復興の象徴として保存するため、1億5千万円を投じて防腐処理や複製加工などを施して復活させたものが現在の一本松だそうです。
樹皮は本物を使用しているそうで素人目には本物と見間違えるような質感。言われなければ加工品と気づかなかったかも知れません。しかし根はすでになく、幹の内部には鉄柱を通し、葉の部分は複製で、先端には避雷針を搭載しているそうです。確かによく見ると白っぽいものがヒョロって出ているような。
一本松の向こうには大きな水門が5基。津波が川を伝ってくるのを防ぐための新たな砦ということですね。
その手前にはグニャっと歪んで全壊したユースホステルの跡。この建物が津波を受ける盾となったため松が一本だけ残る、という奇跡の立役者だそうです。
といった感じが、奇跡の一本松の今でした。それではぐるりと回って道の駅へと戻り、建物の中へと参りましょう。
東日本大震災津波伝承館
震災に関する記録を写真や映像などで展示している伝承館。入場は無料ですがここから先は撮影禁止。久々に津波の映像を見ましたが、あれを知っているかどうかで津波に対する意識は全然違う。知らない世代には学びとして伝えるべき出来事でしょう。
道の駅 高田松原
伝承館と隣接しているのが道の駅。農産物・海産物・物産品などの売店と飲食店が営業する木材をベースとした綺麗な建物です。ここの中身になかなかのご当地色があって見応えあり。そのごく一部だけを抜粋して紹介していきましょう。
飲食ブースの一番人気は王道の三陸グルメ海鮮丼!さらには穴子・イカ・エビに三陸自慢のカキとホタテという魅惑の海鮮天丼。どちらも茎わかめの佃煮+ワカメそば付きで1200円のお手頃セット。
これまた海の香りがたまらなさそうな磯ラーメン。
これらを提供しているのが地元・広田湾漁協が運営するまつばら食堂、まさにTHEご当地メシです。
ご当地食堂に続きまして、すなば珈琲の登場です。え?すなば珈琲って『スタバはなくてもすなばはある』で話題になった鳥取の喫茶店ですよ?なぜ!?
聞くところによると、すなばの関係者が震災のボランティアとして陸前高田にやってきたことから縁が深まり、この道の駅にて「鳥取県外初出店」をしたそうです。
海産物売り場に多く見られるのはワカメ製品で、毛髪が気になるお年頃には優しい味方。さらにはホヤの瓶詰めなどご当地加工品が並ぶ中に、今朝水揚げされたばかりの鮮魚を発見。
40センチ前後もある丸々とした良型のサバが150円~200円!
イワシが4尾で100円!持ち帰り可能な人にとっては破格の安さです。
この他にもご当地商品は色々と。高校生が開発した缶詰、地ビールや日本酒などのご当地ドリンク、ご当地カップラーメン、三陸観光のゲートウェイらしい品揃えです。もちろん奇跡の一本松グッズもありますよ。それらについては長くなるので今回は割愛ということで。
道の駅高田松原は三陸沿岸道路から少し離れているため、インターチェンジで降りて寄り道する必要があります。けれど寄ってみる価値はあると思います。余力があれば伝承館と一本松も是非!
道の駅 高田松原 | |
住所 |
岩手県陸前高田市気仙町字土手影180 |
営業時間 |
9:00~18:00 |
定休日 |
年中無休 |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
無料 |
公式URL | https://takata-matsubara.com |
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