江戸時代に製塩と酒造で栄えた広島県竹原市にある「町並み保存地区」は、豪商のお屋敷などが当時のまま保存されており、江戸時代にタイムスリップしたような趣を楽しめる「安芸の小京都」という触れ込みの観光地となっています。
そんな竹原の町を散策してきたのですが、そこにはイメージしていたのとは少し違った印象も。ここでは正直な感想を混じえて「たけはら町並み保存地区」の様子をお伝えしていきます。
竹原の街並みは写真好きの女子高校生が主人公のアニメ「たまゆら」の舞台になったということで、道の駅2階にはたまゆらコーナーが。
町並み保存地区
地図と案内柱に従って本町通りを目指せばそこが保存地区。ここを左に曲がれば本町通りという始点までは道の駅から徒歩5分ほど、竹原駅からなら徒歩約15分です。
本町通り
ここから約400mにわたって電線地中化が施されて空がスッキリ。重要伝統的建造物群保存地区として景観配慮がなされています。
江戸時代の竹原は豊かな経済力を有していたというだけあって立派で重厚な家屋が多い!
そして白壁で元々は蔵だったような建物が多いことも特徴です。
有名なお好み焼き屋さん「ほり川」も蔵のような建物を利用した店舗。
さらには白壁に混ざっていくつかある黒漆喰の建物が渋い。ただ町全体としての色合いに統一感が欠けているなーというのは正直な印象です。
初代郵便局跡
こちらも元々は黒漆喰のようですが、かなり色が落ちていますね。このように老朽化により色が褪せていたり破損している建物が多いのも実態です。やはり維持していくのは色々な面で大変なのでしょう。
建物自体は現在使用されていませんが昔形のポストは現役。
竹原市歴史民俗資料館は白壁ながらほぼ全面木造という少し異端な存在。庭にNHK朝ドラ「マッサン」のモデルになった竹鶴政孝と妻リタの像があり、誰でも記念撮影できるようになっています。
胡堂(えびすどう)
本町通りの突き当りにある社は胡堂は映画「時をかける少女」のロケ地になったのだとか。祀られているのは商売の神様で、ここには色々と隠された縁起物が。屋根の上には鶴と亀、花が咲いたら必ず実をつける茄子、「株が上がる」とされる蕪など、見つけられればもしや!?
胡堂まで進めば景観地区の縦断完了となりますが、ここでふと気づいたことがひとつ。本町通りには飲食店(特にカフェや喫茶)は多くあるけれど、お土産店はかなり少ない?
この手の観光地では通りから見えるよう商品を並べるお店がいくつもあるのが定番ですが、ここにはそれがないのです。これが偶然なのか景観配慮の一環なのかはわかりませんがスッキリとした町並みの一員となっているでしょう。
西方寺
次は本町通りから横道にそれて行ってみましょう。初代郵便局跡の横から山側にある西方寺へと続く階段を登っていきます。
登ればすぐに本堂ですが、さらにこの右手にある階段を登っていきます。
そこにあるのが小さな清水の舞台のような西方寺・普明閣です。
ここから竹原の街並みを一望できーる。
上から見る町の景観が綺麗かと言えば正直そうでもありませんが、竹原の町が山間の狭い三角州に密集して形成されているのはよくわかります。
老朽化とリノベーション
竹原の保存地区は前述したように表通りでも老朽化が散見されますが、横道や裏手に回ると壁の崩れなどがより顕著だったりします。
その一方で改修に乗り出し、新たな業態へと繋いでいこうという姿も見受けられます。
例えばこの建物は、2019年に築約100年以上の古⺠家3棟を改修して新規オープンしたホテル&レストランの「NIPPONIA HOTEL 竹原」です。内部はレトロ&モダンに仕上がっており、特に外国人受けが良さそうな雰囲気。
2020年オープンとこれまた新しいカフェレストラン「ORGANIC TABLE BOTANICA」からはオシャレな雰囲気が。店先では自家製ドライフードを作っている様子。
本町通りはおよそ江戸の雰囲気で統一されていますが、一本通りをずれればそこはTHE昭和な雰囲気の建物が多かったりもします。昭和の中に江戸があったりと時代が混在もしており、景観は統一されていません。
しかし時代は混在すれどほぼ全体がレトロなエリアであることには違いなく、これはこれで面白いのかも。この「日の丸寫眞舘(写真館)」という建物も江戸ではありませんがレトロ、そしてアニメたまゆらの主要な舞台だそうです。
ここは江戸時代の本町通り、時代が混在した横道のエリアなど、切り取り方次第で面白い写真が撮れる町なのかもしれません。江戸時代をというよりレトロを堪能するつもりで行くべし!
ちなみに前述したとおり観光地のわりにお土産店は少ないので、帰り際に道の駅で購入するというのを計画に入れておくと良いでしょう。
たけはら町並み保存地区 | |
住所 |
広島県竹原市本町 |
所要時間 |
1時間~2時間 |
駐車場 |
道の駅利用 |
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