喜多方は蔵の街。そこで麹の製造や製糸などで財を成した甲斐家の旧宅(黒漆喰の蔵と赤レンガなどを組み合わせた和洋折衷の豪邸)が喜多方市で第一号の国登録有形文化財となった甲斐本家蔵座敷(旧甲斐家庭園)です。
少しマニアックな目線にはなりますが、趣向を凝らした建物を楽しんでみませんか?
甲斐本家 蔵座敷
駐車場
建物裏手に大型もOKの無料駐車場を完備。この裏側から見る蔵にも見逃せないポイントがあるのです。
お気づきですか?煙突がレンガで造られているのです。これは喜多方市で生産された赤煉瓦を使用した物として近代化産業遺産にも認定されています。
いくつかの蔵と主屋と日本庭園で構成される立派な住宅兼作業場。
ぐるりと回って正面へ。敷地をぐるりと囲むレンガ塀も立派ですが、見た感じの新しさからおそらくこれは最近建てられたものと思われます。
正面の店蔵
正門は閉ざされていますが、隣の店蔵の中へどうぞ。
観光案内所を兼ねているようでガイドさんが常駐しています。色々ご教授頂けるので是非とも気になることを尋ねてみてください。
例えば木造でひねりが加わったこの階段、すごい造形だと思いませんか?
よく見ると階段を下から支えている柱が見当たりません。下で支えているのは上り口の部分だけ。
これは吊り橋ならぬ吊り階段。階段を支えているのは天井からの1本の柱と上下階の階段口だけの計3箇所のみ。
横から見ると壁にも接していないことがわかります。
ガラスは昔ながらの手延ガラス。光の反射が波打っていることからガラスに細かい歪みがあることが見て取れます。
店蔵の横にある日本庭園
ここから主屋や座敷蔵を覗くことができます。残念ながら中には入れません。庭園は池泉回遊式で松本亀吉氏の作庭らしい。
店蔵の一部は洋間にリフォームされています。重厚の扉の向こうはシャンデリアにカーペット敷き、さすが豪商。
座敷蔵は畳敷きで和の造り。どこかの城のような雰囲気すら漂います。
しかし座敷蔵の壁面と照明は洋っぽさを感じます。センスのいい金持ちってこういうことを言うんだろうな…。
大理石製の風呂を覗くこともできます。ただ浴室に関しては現代のほうが綺麗かな。
この建築は四代目当主である甲斐吉五郎が大工の棟梁郎と共に全国各地を旅しながら名家を見て回り、参考にした上で大正時代に施工したものとのこと。現在の価値に換算すると約5億円!?
そう考えると他にも色々なこだわりが詰め込まれていそうな予感。やはり内部に入れたのなら…もっと面白かったに違いない!
甲斐本家蔵座敷(旧甲斐本家庭園) | |
住所 |
福島県喜多方市一丁目4611 |
営業時間 |
9:00~17:00 |
定休日 |
年中無休 |
料金 |
無料 |
所要時間 |
約20分 |
駐車場 |
無料(建物裏側) |
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