福島県浪江町+双葉町が地元民観光ガイド第三弾の地!
浪江町は2011年の東日本大震災によって立ち入り禁止区域となっていた地区です。6年の時を経た2017年、避難指示が一部解除されて町民の帰還が始まりました。さらに2020年には道の駅なみえがオープン。
震災から10年経過を前にそろそろ観光ができそうな雰囲気が整ったのでは?しかも浪江町出身の方が案内をしてくれるという渡りに船。ガイドさんの車に載せて頂き、意気揚々と浪江町に向かったのが2020年10月21日のことです。
企画内容おさらい
日本各地の方に地元の観光コースを組んでもらったらどんな内容になるのか?
地元民ならではの場所だったり、有名だけどオススメなグルメだったり、ベタでもネタでも問いません!ガイドさんに完全おまかせコースで案内してもらえたらまた一味違った面白さがあるのでは?と思ったのがこの企画の始まりです。
【観光コースに関して】
- 事前打ち合わせは企画説明のみ
- すべてガイドさんに丸投げ
同行して地元を観光案内してください!
浪江町に至る道のり
国道288号線を東に進み、双葉町が近づいてくると明らかに異様な光景がいくつも目に入ってきます。おそらく農地だったと思われる場所に大量の黒い袋。
国道から外れる道や民家の入口はバリケードで封鎖。何軒もある民家のそれぞれにバリケードを設置している様子はグーグルストリートビューでも確認できます。
町の中心部に近づいてくるとコンビニを発見、ホームセンターも発見、生活感が見えてきた。これだけでもちょっとした安堵感があります。
避難指示解除と言っても面積的にはごく一部。10年近く経過してもまだそんな厳しい状況ではありますが、本日のガイドさんに任せれば今と過去の比較で色々学べるはず。といったところで本日のガイドさんの紹介です。
浪江町ガイド:のんのさん
震災まではご実家が浪江町にあり、当時は仙台にお住まいだった「のんのさん」が今回のガイドさん。震災後の浪江町にはお墓参りなどで数回戻られていて、ある程度勝手もわかる心強い味方です。
ちなみに自分は浪江町初訪問なのでまるで勝手がわかりません。ほぼすべてをガイドさんに委ね、浪江駅から観光開始!
浪江駅周辺
売店もないし駅員も常駐していない無人駅ですが、まずは情報館で情報収集だ!
しかし展示のメインはポケモンフィギュア・・・なぜだ!
観光客用のうまいもんマップを発見。こう見ると結構店舗数はあるようです。
駅前を少し歩いてみましょう。
ガイドさんの話によると震災以前はお店が多くあったという駅前エリア。確かにそれらしき建物自体が結構残っていますが、今もなお生きているのは1~2割程度といった印象。
駅の眼前にあるバスのりばも新聞社も、もぬけの殻。まだあの日のまま時間が止まった建物ばかりなんですね。
駅前にはほぼ何もないとわかったところで移動しましょう。
道の駅なみえ
2020年8月にオープンした道の駅でまだ2ヶ月も経過していない新施設。みなさんに先んじてやってきたぜ!
しかし定休日だった。。。
定休日じゃなければご当地B級グルメ「なみえ焼きそば」が食べられたのに!水曜定休にご注意ください。
彼女は浪江町公式イメージアップキャラクターの「うけどん」。お餅の体にイクラの髪のお米の妖精で丼に乗って生活しているらしい。
ちなみにこの時点の道の駅なみえは一部だけの先行オープンだったらしく、全面オープンは21年3月20日だそうです。酒蔵、大堀相馬焼の窯場、さらに無印良品が全国の道の駅で初めて出店するとのこと。
浪江町役場周辺
役場が立派になって帰ってきたー!
現状においては町役場周辺が浪江のメインエリア。ホテル、ガソリンスタンド、道の駅、コンビニ、飲食店、スーパーなどはこの周辺に密集しています。
仮設商店街
当時、町役場の隣にあった仮設商店街でお昼ごはんタイムです。現在はチャレンジショップという形でリニューアルを図っているそうです。
やみえ焼きそばが食べられる!と思いきや、隣の双葉町に移転しているだと…。
地元感のある食事があまり見当たらないのはまだまだ復興途上なので仕方ないでしょう。道の駅が定休日でさえなければ!
結局は海鮮和食処くろさかにて日替わりミックスフライ(エビ・アジ・カニクリーム)定食に落ち着く。
アジフライが肉厚で非常に美味しかった!アジは地元産っぽいですよ。
請戸地区
ガイドさんのご実家があったという沿岸部の請戸地区にやってきました。以前は住宅街であったこの地区も津波によって一変。現在は生え放題に荒れた草原、もしくは大量の袋置き場がほとんどで、復興というにはまだ遥か遠い状況。
ガイドさんに聞いてみました。
Q. 育ったこの地域を見て何か思うことってありますか?
A. もう変わりすぎててピンとこないですねー。
ですよねー、目印もなくどこがどこだかわからない状態ですもん。
請戸小学校
もろに津波のダメージを受けた小学校です。周囲の家屋は流されてしまいましたが、さすが学校は原型をとどめています。
1階の窓はほぼ全壊、2階の窓は無事、つまり津波の高さは?
請戸漁港
港周辺は整地の真っ最中で、漁港は復活して漁が再開しました。ただ個人が行ってなにかできる場所ではなく、本当にただの漁港だった…。
柴栄水産 いちます
漁港の近くに水産加工場併設の直売店を発見!まだできて間もなく、周囲は草原なのでポツンと水産加工場です。
請戸で水揚げされた魚介類を扱う「芝栄・イチマス水産」というこのお店。かなりオススメですよ。見てこの刺し身!
この厚切りアジ・・・ヤバウマですよ!しかも安い。さきほどフライで食べたアジもおそらくこのアジでしょう。
この他にも鮮魚だったり自家製煮干しだったりが安く手に入り、色々融通まで利いてくれる「いちます」は浪江で絶対行くべきスポットですよ!
◆柴栄水産についての詳細はこちらをどうぞ◆
双葉町
国道6号で浪江町から双葉町への移動する道中ではやはり多くの傷跡を見ることになります。さらには二輪通行禁止区間もまだあるんです。
東日本大震災・原子力災害伝承館
震災で起こった事を展示して伝えていこうという施設で撮影は禁止。
ある程度飛ばしつつでも1時間かかったのでじっくり見るなら2時間は見積もっておいたほうがいいですね。今後は再生可能エネルギーの生産を町の基幹産業にすべく取り組んでいるようです。原発に対するスタンスは推進も反対も示さずといった感じでした。
双葉町産業交流センター
貸会議室や休憩室、フードコート・レストラン・物産店などが入る複合施設。2020年10月1日にオープンしたばかりで出来たてホヤホヤ。
浪江町仮設商店街の焼きそば屋の移転先は交流センター1階フードコートだったのです!
あ・・・
出来たてホヤホヤのはずが…
屋上展望台から景色を見て心を落ち着けよう。
何もない。
産業交流センターと伝承館以外は何もない。
残っているのは津波の残骸。
それと各所で見かけた大量の黒い袋。
あの袋の中身は除染で発生した土、そしてそれを中間貯蔵する施設がここです。実際に行ってみるとよくわかりますが、途方に暮れるくらい大量なんですよ。
こう見るとまだまだ復興に至るまでは遠く長い道のりでしょうね。
浪江・双葉の感想
移動制限のある場所も多く観光スポットやグルメはまだわずか。多くの観光客を呼べるほどの集客力はまだ整っていないというのが正直な感想です。
でもゼロではない!道の駅しかり、柴栄水産もしかり、観光客が楽しめる場所はあるんです。確実に復興の歩みは始まっており、今後の観光はより充実していくはずです。浪江町のみでは観光的に弱いですが、寄り道としてなら現状でも十分アリ。
自分としては震災後の状況とかも知れたし、観光とは少し違ったかも知れませんが浪江に行けてよかったなと思っています。ただ唯一の心残りは「なみえ焼きそば」を食べられなかったこと!
そんな折に誰かが教えてくれました。なみえ焼きそばが二本松市でも食べられるって!?ならばキレイに締めるためにも、行きましょう二本松!食べましょうなみえ焼きそば!
なみえ焼きそば
浪江から直線距離で50km以上離れた二本松、本当になみえ焼きそばのお店がありました。
これがなみえ焼そば??この麺の太さは焼きうどんでは!?
のんのさんが言うにはこれがなみえ焼そばだそうです。さらに「なみえ焼きそば」という言葉も比較的最近できた呼び名で、浪江の人にとってはこれが普通の焼きそばなんですって。
食べてみるとこれは焼きそばだ!とは断言できず、やはりうどんかも知れない!という境界線上の麺ですね。でも美味しいしボリュームたっぷりですよ!
◆杉乃家についての詳細はこちらのブログどうぞ◆
動画とツアー結果
これにてのんのさんツアーは終了。おそらく自分一人だったらどこに行っていいのか全然わからなかったと思います。一日お付き合いありがとうございました!
地元民ガイドツアー浪江&双葉町編 |
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Start |
浪江駅 |
↓ | 道の駅なみえ |
↓ | 仮設商店街 |
↓
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請戸地区 |
↓ |
双葉町 |
Goal | 杉乃家 |
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